当社では外径ネジ物の小ロットの場合ほとんどがチェーシング加工で仕上げています。 号口になれば転造など方法は色々ありますがやはり納期とコスト面から試作などは同時加工で完成にしたいですね。バリが出にくく極端にやわらかくない被削材ならサラエ刃無しのチップでプログラム変更するだけで様々なネジ加工が可能です。 しかし苦手なこともあります。ガイドブッシュで支えられてる被削材が細く長い場合でネジ切動作したとき超硬部分から被削材が外れてしまう場合があります。それと刃具の芯高や切れ味が悪いと被削材がしなりネジ部先端が逃げたり不安定な為チッピングしたりします。これを解消する為に刃具をシフトさせてその分ガイドブッシュから離れたところで加工したりします。少しタクトはかかりますがプログラムでネジ加工をつないだりすることもあります。サブコレットが装備されていればあらかじめダミーの掴み代を付けて加工しこれを保持、主軸側と同期させてチェーシング加工することも可能です。このように全ての取り組みは短納期、コスト対策につながっていきます。 以下、関連写真 |
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主軸台移動型(ピーターマン型)の特性として極細長物が加工可能な事です。ガイドブッシュと呼ばれる支持台の直前に上からと左右から刃物が径方向(X軸)にのみ動きます。(材料と直角方向)。 被削材(Z軸)は常に刃具直前で支持されていますからビビリなく高精度な切削が可能な旋盤です。 NC旋盤などの場合はチャックからの突き出し量など制限がありますが主軸台移動型は被削材自体が前進して加工していきます。ですから極細長物が得意なんです。 |
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当社では内径を仕上げる場合よくこの加工をします。 試作品や少ロット品などはリーマ加工はせずボーリングで仕上げます。(当社ではφ2ミリぐらいまで、ボーリング長でその大きさの限界が決まります。) 製品の内径寸法はミクロン台で指示されているものも多く次々発注される図面寸法のサイズ全てを在庫することなど到底無理です。材質など様々な影響をうけますから加工テストしスリ合わせにより特注製作品リーマを使用する場合もあります。しかしこれには納期がかかりすぎます(15日前後)。短納期を実現するには寸法調整が自由で簡単に出来るボーリングがベストです。量産品(号口)の場合でもボーリング加工は切れ味が鈍った場合チップ交換だけになりますから交換も早く安価です。リーマの場合切れ味が鈍れば新品に交換することになりますから高価で製品のコストに影響します。(寸法調整の出来るリーマもあります。) ボーリング加工にはまず穴あけが必要。パイプの場合はそのままでOKな場合もあります。 寸法を安定させ面粗度を良くするには下穴の管理が重要です。(リーマでも同じです)下穴を明けるときは当然仕上げ寸法より小さく明けます。仕上げる取り代はボーリングチップのノーズRより多く付けます。これは材質や仕上げ寸法で変えています。(当社では百分台で管理) また、小径になればなるほど切粉のハケに気を使います。切粉でせっかくの仕上げ面を傷つけてしまったり切削油が十分に切削点にかからなくなり寸法がばらついたり仕上げ面が悪くなったりするからです。 中圧ポンプで吹き飛ばしたりも出来ますがまずはボーリングバーに絡まない様な切粉を出すことが必要です。内径加工の際、ビビリや逃げ、中太りなどのトラブルもあります。これには芯高の調整が重要です、既製品のボーリングバーは締め付ければ芯が出るようになっていますがφ3とかφ2になれば手研ぎしかないため慎重に製作し取り付けます。(内径の場合は少し高めに取り付け) 当社の設備は主軸台移動型(ピーターマン型とも呼ばれている)に特化しておりますのでガイドブッシュと被削材のクリアランス調整も製品精度に大きく影響します。 当社ではスペック内での様々な内径加工に安価で対応出来る様、各種ボーリングバーを取り揃えています。同時に短納期の対策にもなっております。 以下、関連写真 |
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